MAFF工法(Multi Adjustable Floating Floor工法)は施工性・遮音性能に優れた省スペース型浮床工法です。
防振ゴムとスパイラルジャッキを組み合わせた昭和サイエンスのMAFF工法用防振ゴム ELF型により実現した新しい防振浮床工法です。施工性を改善し遮音性能に優れた省スペース型浮床を実現します。
コンクリート打設(建築工事)後に浮上します。
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- 浮床構成概要
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- 浮床の構成
- ▼機械関連
機械式立体駐車場、エンジン発電機、エレベーター巻上機、ポンプやトランスなど大きい音源・振動源の防振基礎 - ▼建築音響関連
コンサートホール、エントランス、音楽スタジオ、試写室、フィットネススタジオなど床衝撃音対策の浮床
- 低い固有振動数
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固有振動数※は防振ゴム※を使用する防振装置としては低い約8~9Hzに設定することが可能です。
これにより可聴域(20Hz~20kHz)すべての固体音を抑制することが可能です。 - 浮床下部の空間が最も小さい
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従来の防振ゴム工法は床スラブ上に配置した防振ゴムの上に浮床を製作するため、浮床と床スラブの空間は少なくともH=100mm程度必要でした。
MAFF工法ではMAFF工法用防振ゴムの上部を浮床コンクリートに埋め込むため、浮床と床スラブの空間を最低H=20mmに設計可能です。これにより浮床・浮基礎を大きく※、ピット高を小さく、浮床から天井までの髙さを高くできます。また、グラスウールを浮床下に設置することでさらに高い性能を発揮することもできます。 - 優れた荷重支持性能
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100トンを超えるエンジンのような大荷重を支持できる防振浮床を製作できます。
- 優れた耐久性(クリープ特性)と信頼性(耐水性)
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長年ご使用いただく上で経年変化が気になるところですが、MAFF工法は浮床天端が沈み込むクリープ現象に対する特性が高く、水回りでご利用いただける耐水性を持ち合わせています。
- 火気使用なしでしかも少ない工種で施工可能
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従来の防振ゴム工法は浮床コンクリート型枠製作のために根太やデッキプレートを用いた工事を必要としました。
MAFF工法は床スラブを型枠として利用して浮床コンクリートを打設します。そして強度発現後にリフトアップします。
根太やデッキプレートが不要なため現場で溶接や金物加工が無く火気使用が有りません。 - 水平レベルを調整可能
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浮床を製作後リフトアップし天端の水平レベルを調整します。
防振材の設置前に必要なレベルプレートや細やかなレベル調整は必要ありません。
設置前の下地は鏝(コテ)1回押えで下地調整をお願いします。
- ※固有振動数とは
- バネマス系の防振装置においてバネである防振材とこれが支持するマス(浮床・浮基礎とその上の積載物の総質量)のバランスにより固有振動数が定まります。防振装置はすべての周波数に対し抑制効果があるわけではありません。ある周波数では悪化しある周波数では抑制効果を発揮します。固有振動数から悪化する周波数帯と抑制される周波数帯を想定することができます。固有振動数の√2倍の周波数を境にそれ以下では悪化し、それ以上では抑制されます。浮床・浮基礎の防振材を選定するうえで固有振動数は重要な指標といえます。
- ※防振ゴムを用いた防振・遮音施工
- 防振ゴムは、施工性が良い、ばね定数が選べる、共振時の振幅が過大にならない、など使い勝手が良いので防振施工に広く用いられます。浮床と積載荷重を支持する防振系の固有振動数を防振ゴムの仕様・個数で設定できるので、防振効果に応じた設計が可能となり、固有振動数を10Hz以下に設定することもできます。約10Hz程度にすることにより固体伝搬音の低減に十分な効果を得ることが可能になります。
- ※防振浮床・防振基礎について
- バネマス系の防振装置において固有振動数が同じであればマスの質量が大きいと振幅は小さくなります。つまりマスの質量が大きければ揺れは小さく、小さければ揺れは大きくなります。逆に質量が同じであれば固有振動数を低くすると揺れは大きくなります。マスの質量を大きくし固有振動数を低くすることが浮床・浮基礎において理想的です。