地中防振連続壁とは建物の躯体と地盤との間に防振材を設置し、地盤から侵入する騒音を低減する技術です。
都市部など土地利用の制約が大きい場所では、音楽ホール・スタジオ・劇場・ホテル・集合住宅など静穏な環境が求められる場所と、交通振動騒音源(鉄道や道路等)が近接せざるを得ない場合が多くあります。建物外周部に地中防振連続壁を効果的に設けることで、地盤から伝わる振動を軽減することができます。
山留と建物躯体の間に防振部材(発泡ポリエチレン、地中連壁用防振ゴム、防振セパレーター等)を適宜組合せ、設置箇所に合わせた最適な工法をご提案いたします。
昭和サイエンスは1997年開館した東京国際フォーラムを始め、汐留日本テレビ社屋、新横浜駅ビルなど多くの実績を持つ「地中防振連壁」のパイオニアです。
- シートパイル部防振工事
- 高層ビル基礎部
- マンション基礎部
対策例 | 低減率 | |
---|---|---|
振動源での対策 | ロングレールの採用 | 約5dB |
防振軌道の採用 (防振スラブ、防振マット等) | 約10dB | |
伝搬経路での対策 | 振動源と低減したい箇所をできるだけ離す | 約3dB |
防振地中連続壁の設置 | 約5dB | |
建物と地盤の間に絶縁層(溝等) | 約5dB | |
建物側での対策 | 構造体の剛性強化 (床スラブ・壁の厚みを増す) | 約5dB |
内装仕上面の剛性強化 | 約5dB | |
建物内部での浮構造の採用(浮床・浮壁・防振天井吊等) | 約15dB | |
免震構造の採用 | 約10dB |
参考文献:池田覚「<特集>ホールにおける鉄道、地下鉄からの騒音、振動低減対策の考え方と対策事例」
音響技術No.79(Vol.21 no.3 1992年9月)、p.3-11